紅玉。一個100円。
計算しやすい値段なのがすばらしいです。もちろん内税です。内税どころか、おばあちゃんがやってる小さな八百屋さんなので、きっと消費税なんて、もう何年も忘れているのです。…たぶん。
仕事の帰りに お店の前を通ると、いつもだったらシャッターが閉まっているのに、きょうは、ちょうど おばあちゃんが店じまいをしているところです。
お店の白熱電球の下で、おいしそうな色で積まれていた りんご を、財布のなかの100円玉の数だけ買って帰ります。
一日一個、りんご を食べると、風邪をひかないそうです。うちの おばあちゃん だったか、りんご農家の おじちゃん だったかが言ってました。
でも、りんご のビタミンCは、ほとんどが皮にあるのです。だから、皮ごと食べなきゃいけないのです。…きっと。
りんご を皮ごと食べちゃうと、りんご の皮をむく楽しみがなくなるのです。ナイフを使えない、ちかごろの男の子になってしまうのです。
りんご の皮は食べなきゃいけないけど、りんご の皮はむきたいのです。だからと言って、むいた皮だけ食べても、たぶんおいしくないのです。
考えました。
うさぎ にしてみました。