「おひさしぶりですー。お会いしたかったですー」
う。う。そんなことを言ってくれるのは、なじみの美容師さんだけです。
「このあとはどこか行かれるんですか」
法事で帰省するので、お土産を買いにいかなければいけません。田舎なので、そのへんはきびしいのです。しかも、口にあわなかったりしたら、あからさまに嫌な顔をされるので、容赦がありません。だから、最近は老舗の和菓子屋さんのお菓子です。これなら文句ないだろう。って感じです。
「それなら、近くのデパ地下にもありますよ。店員さん、友だちだから紹介しますよー。」
おお。意外な人脈です。しかも 値引きしてくれそうな口ぶりです。
美容院を出て、教えてもらったデパ地下に向かいます。まず店員さんを確認。美容師さんと同じ年代の店員さんは、すぐにみつかります。ショーケースに並んだ箱詰めのお菓子から、あまり高くなくて、そこそこ見栄えのするお菓子を選んで、その店員さんに箱数を伝えます。
「○箱ですね。もしかして○○さんですか?」
美容師さん、ちゃんと連絡してくれてました。
「○%、お引きしておきますね」
安くはないお菓子なので、けっこうな値段を引いてくれました。
美容師さん。すばらしいです。もう次も指名しちゃいます。…だから、この和菓子屋の店員さん。ちゃんと紹介してくださいっ。わたしはいつでも おーけー ですっ。…すいません。かわいかったんですよ。この店員さん。