仕事場へ歩く途中に公園があって、べつに公園を突っ切っても歩く距離は変わんないんだけど、なんとなく突っ切ったほうが楽しそうで、でも、雨になりそうなうな空模様の朝に、傘を引きずりながら公園の中を歩いていると、このまま公園を抜けていったら、いままでと違う場所に出ちゃいそうな気がしてきました。
公園を抜けてタバコ屋さんの角を曲がると、曇り空の下には、なぜか灰色の海が広がっているんです。あわてて公園に戻ると、いままで通りの風景なんですけど、もとの街とは少しずつ違うんです。
もちろんこれは、ちょっと前に観た『ルート225』の影響なんです。でも本物の朝なので、多部美華子ちゃんは歩いてないんです。肉まん温めながら踊ったりもしないんです。空想とフィクションの区別くらいつきます…あれ?
でも、街の様子が違ってても、ショートボブで推定身長153cmのお姉さんがいるカフェさえあれば、わたしは大丈夫なのです。そのカフェがなかったら、わたしはどこでカフェラテを飲めばいいのですか。だから、これは絶対条件なのです。
でも、街の様子が同じでも、ショートボブで推定身長153cmのお姉さんがいるカフェがなかったら、わたしがカフェラテを飲めなくなります。したがって、これは十分条件でもあるのです。
数IIBの問題なのです。もうこれでセンター試験もばっちりです。
というわけで、公園を抜けて街の様子が違ってても、ショートボブで推定身長153cmのお姉さんがいるカフェはあるのです。だいじょうぶなのです。
それがわかったので、元気になりました。あるっこー。あるこー。です。
あ、でも、もし街の様子が違ってて、ニューヨークで蝶が羽ばたいて、そのせいでゴビ砂漠に風が吹いて、桶屋が儲かって、だもんだから、仕事も忙しくなって、木村文乃ちゃんの新作の映画が観れなかったりしたら、ショートボブで推定身長153cmのお姉さんがいるカフェがないのと同じくらいイヤです。
だから、やっぱり、公園を抜けても街の様子は違ってないほうがよいのです。