いえ、かなえていただきたいのは、たいした望みではないのです。
もうほんとうに些細なことで、神さまであれば、きっと、どなたでも…
今週いっぱいで、いまの仕事場を離れるのです。だから、いつもおいしいコーヒーを淹れてくれていた店員さんに、「ありがとう」って言いたいのです。
いえ、べつに、その店員さんがショートボブがちょっと伸びちゃって、後ろだけカットしてみたけど、納得できなくて、やっぱり全体的にカットしちゃったんです。な、推定身長153cmのお姉さんだからってわけじゃないんです。ジッタリン・ジンのボーカルさんに声が似てるからってわけでも、もちろんないんです。
あ、すみません。ないことはなくて、も、もちろんそれもありますけど、でも、突然お店に行かなくなるっていうのもなんか後味が悪そうなのです。だから「来週から来れなくなるんです。」って言っておきたいのです。いや、べつに一緒に「時をかける少女」を観に行きませんかって誘おうとかってことは考えてないんです。
な、なんですか、そのひとの顔を覗き込むような目は。考えてませんよ。そんなこと。「時をかける少女」、近くじゃやってないんですから。あ、いえ、たとえやってたとしても、ごあいさつがしたいだけなのです。ほんとうです。
でも、なせか先週、今週と、お話しできるチャンスがないのです。
だから神さま…かなえてくれるんだったら、宗教、国籍、宗派、教義は問いません。エンジェルさまとか、ビリケンさんとかの、神さまなのかなんなのか微妙なあたりでもいいです。もちろん宇迦之魂命とか金堂薬師三尊とかの、漢字が難しくてパソコンがなかったら書けないような神さまでもぜんぜんオッケーです。初心者歓迎です。なかよくやりましょう!
…あ、ともかく、おねがいしますです神さま。
…でも、お布施と勧誘はお断りなのです。